何年か前にパニック障害になり街へ出掛けたり電車の乗たっりするのが怖くなりました。
これはカウンセリングでなおるんだろうか・・・恐る恐る連絡をしてみました。
最初にお電話で色々とお話をして、カウンセラーさんも同じ症状で長年苦しんでいたという話を聞き、
翌月から片道2時間近くかけてカウンセリングへ通うことにしました。

 

古くから代々続く商売の家柄、跡取り娘になるかもしれない私の世間体をいつも気にする祖母は、
常日頃からお行儀よくしなさい、お箸の持ちかた、それもダメ、あれもダメだと否定的な言葉が多く、
とても厳しくしつけられたせいか、いつもちゃんとしなきゃと感じてきました。
そんな自分の生い立ちが影響していることはうすうす感じていましたが、
さしあたっての目的は「飛行機に乗れるようになりたい」ということでした。

実は彼のご両親が遠方におり、ご挨拶へ伺うのには飛行機に乗れないとダメなのです。
それともう一つ、もっと自分に自信が持てればいいなという気持ちもありました。

 

そうして月に一度のカウンセリングを始めて数回経過したころ、まず一つの変化が訪れました。
社会人吹奏サークルに入っている私は、いつも演奏本番になると苦しくなってしまい、
薬の力を借りていました。でも本当は薬を飲みたくないんです。それにいったいいつまでこの
薬を飲み続けなくてはいけないのか、そんな気持ちもありました。

ですが、今では薬の存在すら思い出しません。

例えばこの前も、大きなステージだったのですが、緊張することも不安になることもなく演奏を楽しむことができました。

演奏中にもし何かあっても、黙ってステージ降りたらいいだけだし、
ごめんて言えばみんなもこの病気のこと知ってるし・・・・
そう思えるようになったのです。

 

そうしたらずいぶん毎日が楽になってきて、なんだか自分に自信がついてきました。
日々の不安におびえることもなく毎日に、彼との交際も順調でついにプロポーズをされました。

暖かくなったら、飛行機に乗って彼のご両親のもとへ挨拶へ行きます。
もし飛行機がダメだとしてもその時は電車でもいっかとも思えるようになりました。


そう、嫌な事は嫌だと思ってもいい、そしてそれを相手にも伝えてもいいんだということ。

そう思えるようになったらびっくりするくらいイライラは減ったし
イライラしてもうまく消化できるようにもなったのです。

 

それともう一つ大きな変化は、あれこれ世話を焼いてくる母親に対して、
以前だと「もういいからっ」と、ついついキレ気味だった態度が、
今は「お母さんの言いたいことは解った、でも私はこうしたいから」と
自分の意見をはっきりと言えるようになりました。
そうしていろんなことを受け止めていると、 自分のこと、お母さんのこと、他人のことも大事にしようと思えるようになってきました。

 

カウンセリング最後の日、彼との新しい人生へ向かう私を見送ってくれたカウンセラーさんのことは一生忘れません。